後輩との再会

退職してから半月が過ぎたある日、偶然、街中で消防署の後輩と出会いました。この偶然の再会が、私にとっては意外にも心地よい驚きでした。

退職後の日々は新しい生活リズムを築く中で、かつての職場とのつながりが薄れていくことを感じていました。以前は非番の日でも救急車や消防車のサイレンがなっていればすぐに気が付きましたが、最近ではよっぽど近くでない限り気が付かず、自分でも無意識な感覚の変化に驚いていました。そんな感じの私ですが、後輩との会話は、私が消防署で働いていた頃と何ら変わりなく、以前と同じようになんでもない話から仕事の話まで、自然に会話が弾みました。このことは、どこかほっとした気持ちになり、久しぶりに職場の人間と話ができたことが非常に嬉しかったです。

職場の現状については、相変わらずの人員不足や業務の多忙さが続いているようで、以前として大変そうでした。相変わらずの状況の中で頑張っている後輩たちに少し申し訳ない気持ちは感じましたが、不思議と戻りたいと思う気持ちにはなりませんでした。以前であればアドバイスなどしていたと思うのですが、今の立場でそれをすることに違和感を感じ、励ましやエールを送る事だけしかできませんでした。そして後輩との会話では距離を感じることはありませんでしたが、自分の気持ちはすでに消防署から離れていることを再確認する瞬間でした。

この再会は、退職の決断が自分にとって今のところ正しかったことを確認する良い機会となったと同時に、もう一度退職する際に考えていた気持ちを思い出させてくれるきっかけになりました。

退職してからの生活では、運動不足がたたり少し体重が増えてしまいました。定期的な運動を心掛け体型を維持し、健康的な生活を送ること。決して堕落した姿にならず、みんなの憧れになるような、早期退職の良き見本になりたいと改めて強く考えていたことを思い出しました。

この偶然の出会いは、私にとっていくつかの気づきと再認識をもたらしました。退職後も職場の人々とのつながりが持続することの価値、そして自身がどのように年を重ねていきたいかのビジョンを持つことの大切さを、改めて実感しました。これからも自分らしく、前向きに、そして活動的に過ごしていくことを心に誓いました。

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