早期退職しようと決心したもうひとつの理由

早期退職を決意した理由について、これまで様々な角度から話をしてきましたが、もう一つ大きな理由があります。それは、父の急死を通して感じた「時間の有限性」と、それが私の人生と仕事に対する考え方に与えた影響です。

父の突然の死と時間の有限性

昨年の2月、私の父は75歳で突然この世を去りました。健康だった父に2022年の秋、肺がんが見つかり、2023年1月には手術を受けました。手術は成功しましたが、わずか1ヶ月後に体調を崩し、私たちのもとを去ったのです。父と私はどちらかといえば仲の良い親子でしたが、まだまだ一緒に過ごしたい時間、話をしたいこと、教わりたいことが山ほどありました。しかし、父の死は私に取り返しのつかないことの存在を、そして死がいかに突然やってくるかを痛感させました。準備も覚悟もない私に父の突然の死は大きすぎる出来事でした。

残された時間の大切さ

父が75歳で亡くなったことから、もし私が父と同じ年齢まで生きるとしたら、人生の残り三分の一しかないことに気づきました。この気づきは、残された時間の大切さを改めて考えるきっかけになりました。私にとって、残された時間が25年と仮定すると思ったよりも短く、そうなると無駄にする時間はありません。改めて考えると、やりたいこと、行きたい場所、食べたいもの、会いたい人などが多くあることに気が付き、取りこぼしなく消化するには優先順位をつけ時間を有意義に使うことが重要だと考えるようになりました。

仕事への新たな視点

この新たな認識は、仕事に対する私の考え方にも影響を与えました。私はもともと熱中できることに時間を費やす性格で、50代の仕事の時間も全力で楽しみながら取り組みたいと考えています。しかし、前回書いたとおり、消防士としての職場で50代にやりたいことを見つけることができなかったのです。これは早期退職を考える上でのいちばんの理由でしたが、父の死はその決断を後押しするもう一つの大きな理由となりました。

時間は有限です。この有限な時間をどのように過ごすかは、私たち一人一人の選択にかかっています。私にとって、それは父の死という大きな出来事を通して、より明確に感じるようになりました。人生を豊かにするために、時間の大切さを常に意識し、充実した50代を見つけるために、新たな道を進む決断を下しました。この経験が、同じような選択に直面している人々にとって、何かの助けになればと思います。

コメント