29年間務めた仕事について

私は29年間、消防士として地方公務員をしていました。職員100人未満の小規模な消防署での日々は、挑戦と達成感に満ちた貴重な時間でした。この記事では、消防士を選んだ理由、その仕事で感じたこと、そして仕事に対して変化する意識についてお話しします。

消防士を選んだ理由

私が消防士という職を選んだのは、生まれ育った田舎で公務員が最も安定した職業とされていたからです。最初から使命感や地元に対する熱い気持ちがあったわけではありません。とにかく田舎では公務員が安定を求めるには最適の選択でした。しかし、実際に消防士として働き始めると、単なる安定を超えた、やりがいと使命感を感じる日々がありました。

消防業務の多様性とやりがい

小規模な消防署だったので、火災、救助、救急、さらには一般的な事務作業に至るまで、あらゆる業務を経験しました。日々の多岐にわたる業務を通じて、地域社会に貢献できることに大きな誇りを感じるようになりました。特に、感謝の言葉を直接頂くことが多かったことは、私の仕事に対する意識を大きく変えるきっかけとなりました。

良い仲間と過ごした時間

消防署での生活は、一般的な職場とは少し異なる部分も多く、24時間寝食を共に仲間と過ごし、同じ志を感じられる仲間と、支え合いながら過ごした充実した時間でした。特に現場活動では共に困難に立ち向かい助け合いながら業務に取り組む中で、深い絆が生まれました。その絆があったからこそ、どんな時も全力を尽くし、多くの達成感を味わうことができたと感じています。

消防署の階級社会と変化への抵抗

しかし、消防署の強い階級社会や、変化を好まない組織という側面には、時として不満を感じることもありました。新しいアイデアや改善への取り組みがなかなか受け入れられないことがあり、それがフラストレーションとなることも少なくありませんでした。

29年間の消防士生活を振り返って

29年間消防士として過ごした時間は、私にとってかけがえのないものでした。この経験は、私の人生観や価値観を形成する上で大きな役割を果たしています。変化への抵抗や階級社会という面があったとしても、地域社会に貢献し、人々の生活を守ることの大切さを、この仕事を通じて学ぶことができました。

消防士としての間もなくキャリアを終えますが、間違いなく最初に選んだ仕事として後悔がない仕事でした。

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